禁煙の心構え

禁煙が与えてくれたもの

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禁煙の心構えとして、最後に禁煙が与えてくれたものを整理したい。禁煙に興味を持ってもらうためには、禁煙によって何が得られるかを明確にしておくことは不可欠だ。但し、喫煙のメリットと同様に、期待していたのに実際には長所ではなかったこともしっかりと指摘していきたい。正直なところ、実際にはメリットではないと感じていたとしても、メリットだと喧伝する方が禁煙を勧める上では良いのかもしれないとも思う。但し、これは私の誠実さの問題だ。嘘は書けない。

 

禁煙のメリット?

一般的に禁煙のメリットとして挙げられるのは以下ではなかろうか?

・ お金の節約
・ 時間の節約(喫煙・喫煙所を探す時間)
・ 味覚と嗅覚
・ 歯や肌の綺麗さ
・ 健康
・ 快適な睡眠
・ お店の選択肢の拡大
・ タバコからの解放

禁煙のメリットは多い。一方で、思ったほどメリットではなかったと感じたことから説明する。まず、さほど恩恵を感じていないのは「お金」だ。私は月に1万円くらいタバコに費やしていたため、生活は結構楽になると思っていた。しかし、月に1万円なんてすぐに無くなってしまう。例えばタバコの替わりに毎日ガムを買うようになれば、それだけで毎月34,000円は使ってしまう。また、結局お金が余ってたとしても、余剰資金として使ってしまうのだ。1回飲み会が多くなるとか、これまでだったら買わなかったものを買ってしまうとか。相当計画的に、これまでのタバコ代は積立投資するとか、財形で貯蓄するとか、そういう覚悟がなければ経済的メリットは感じにくいだろう。但し、毎月数万円タバコに使っていたようなヘビースモーカーは別かもしれない。

次に、メリットと感じにくかったのは時間についてだ。確かに休憩時間が減って、仕事に費やせる時間が増えたが、当然前よりもしんどい。適度に休む口実があった方が良かった。喫煙所を探す時間も無駄だったが、そんなにこれまで負担に感じていたかというと、そうでもない。時間的なメリットは、数値にすると5×私が吸っていた14本だとしたら1日に70分と1時間以上になるのだが、タバコを吸っているときも案外いろんなことを考えていたし、仕事のアイデアを整理するのに有効な時間でもあったので、私はあまりメリットは感じなかった。

また、味覚と嗅覚についてもメリットを感じない。良くタバコを辞めるとご飯が美味しくなるというが、私は全く感じない。むしろ、コーヒーとかはタバコを吸ってた時の方が美味しく感じるくらいだ。実際にタバコを辞めて、私はコーヒーを飲む頻度が減った。カフェでも紅茶やジュースを頼んだりするくらいだ。嗅覚については確かに敏感になる。特に、タバコの匂いにはすぐに気付く。元喫煙者がタバコの匂いに異様に敏感になり、嫌煙家になるというのはよく聞く話だ。しかし、このように嗅覚が敏感になることは本当にメリットなのだろうか?私の場合、敏感になるといってもタバコの匂いに気付くようになったくらいだ。その他の点で嗅覚が鋭敏になったとは感じない。臭いと感じる瞬間が増えただけなので、むしろデメリットではないかとすら思う。

さらに、タバコを辞めると歯や肌が綺麗になるというが、これも自覚がないし、他人から指摘されることもない。そのため、本当にこうしたメリットを享受できているかすら疑問だ。一方で、歯茎が以前よりも赤くなったことで、禁煙していることを気付かれたという話も聞いたことがあるので、個人差もあるのかもしれない。

 

本当の禁煙のメリット

本当のメリットとしてまず挙げたいのは、健康だ。私は趣味としてランニングや登山を行っていたのだが、驚くくらい息切れがしなくなった。本当に身体を動かすのが楽になったので、これは明確に感じたメリットととして、特に運動をしている喫煙者には是非お伝えしたい。一方、寿命が延びるとか癌のリスクが減るとかのメリットもあるのかもしれないが、これは当然現段階では感じることはできない。もしかしたら一生感じることができないのかもしれない。

健康と関連して感じたのは睡眠の質の向上だ。私はとにかく寝つきと寝起きが悪かったのだが、禁煙してからというもの、目を閉じてから寝るまでの時間が劇的に早くなった。結果として睡眠時間が長く取れるので寝起きも良くなり、昼間に眠気に悩まされることが減った。ニコチンは覚醒物質としても知られているので、寝る前にタバコを吸う習慣がなくなったことが、効いているのかもしれない。よく考えたら寝る前にコーヒーを飲んでいるようなもんだったとも言える。

小さいところでは、お店を選ぶ際に喫煙・禁煙を考慮する必要がなくなったこともメリットだ。喫煙者の敵であるスタバにも行けるようになったのだが、禁煙すると同時にコーヒーを飲む頻度が減ったのは皮肉だ。最近では居酒屋やバーでも店内禁煙の店が増えてきており、いちいち店に入る前に確認しなくて済むのは精神的にも楽だ。

このことと関連して、最大のメリットはタバコから解放されたことだと感じる。先にも述べたが、喫煙所を探す時間は無駄とは感じなかったが、常に喫煙所を探すのがとにかく面倒くさかった。特に旅先では何となく灰皿を常に探している自分がいた。また、タバコが切れるのを恐れて、常にタバコの本数を気にしたり、タバコのストックを用意するのも面倒くさい。さらに言えば、タバコが吸えない時間が一定時間あるときなどは、それを考慮して頭の中で喫煙をスケジュールに組み込むようなことをしていたので、それも面倒くさい。とにかく、知らず知らずのうちにタバコ中心の生活になっていたように思う。こうした制約から解放されたのは、禁煙をした最大のメリットと言えるかもしれない。

私もそうだったが、喫煙者はタバコのメリットを強調しすぎる傾向があるように思う。私もそうだったが、何となく自分のしている喫煙を否定されるのが嫌で、意固地になっている部分もあるのではないだろうか?一度、冷静かつ客観的に見つめ直してみると、喫煙にはメリットよりもデメリットの方が多いのが明確にも思える。私も喫煙者だったときはこんなこと考えもしなかったので、非常に言いにくいことではあるのだが。

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