禁煙の実践

開始時期と禁煙の儀

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いつから禁煙するか?

いよいよ禁煙の手順を考えていこう。まずは禁煙の開始時期だが、前回も書いたようにこれはいつでも良い。心の準備が出来た時が最高のタイミングだ。しかし、そうは言っても戦略はある。ここでは最低限、考慮すべきことを紹介する。

まず、認識しておかなかければならないことは、最初の数日がしんどいということだ。禁煙を試みたことがある人は十分わかっていると思うが、特に最初の3日がしんどい。この理由としては、ニコチンの体内での残留時間が挙げられる。ニコチンは大体4872時間程度で体内から排出されるというのが通説のようだ。もちろん、体内から排出されても脳ではニコチンを欲しがるが、眠気や頭痛のようなニコチンの離脱症状が治まっていくことと、身体が正常に戻っていくためか、苦しさは緩和されていく。また、私の感覚としては、3日吸わないと、吸わない状態に慣れてきて何となく身体の負担が減ってくるという感じだった。そのため、とにかく大事なのは最初の3だ。

ここを平日にあてるか休日にあてるかが戦略の分かれ目だ。仕事に集中することでタバコを忘れられるタイプの人は平日に当てこんだ方が良いかもしれない。休日に何もしないでタバコを我慢している方が苦痛というタイプの人だ。結論から言うと私は休日に当てこむ道を選んだのだが、ある禁煙者の方から「難しい方を選んだね。」という意見もいただいた。私としては絶対に平日に当てこむ方が難しいと思うのだが、この辺は個人の感覚の問題もあるかもしれない。

平日には平日のメリットがある一方で、仕事でイライラしてタバコが吸いたくなるタイプの人は休日に当てこむべきだ。禁煙のイライラが仕事に支障を与えるリスクがある人も休日を狙った方が良い。先述の通り、私は休日に当てこむ方を選んだ。仕事への支障を気にしたからだが、もう一つ休日を選んだ理由に、困ったら寝るという選択肢が取れるということもある。簡単に考えれば、24時に最後のタバコを吸ったとして翌10時まで寝ていたら、既に10時間も経過していることになるのだ。辛い最初の3日間、72時間のうち、起きている時間はなるべく少ない方が楽だ。繰り返しになるが休日は家でじっとしてるためタバコが吸いたくなるし、吸いたくなったときにいつでも買いに行けるという状況であるのは、確かにデメリットだ。それでも、私は休日を狙うのをおススメする。

しかし、休日は一般的に土日の2日しかない。つまり、3日間我慢するにあたり1日足りないのだ。時間がある人は3連休や長期休暇の時期を待ってみるのも選択肢の一つだ。しかし、私はそんな悠長なことを言ってられないほど、一刻も早く禁煙を試したい状況だった。そのため、金曜日から始めることを選んだ。これまでにも仕事で夕方ごろまでタバコが吸えないシチュエーションもあったため、最初の1日は根性で乗り切れると考えたのだ。そのため、辛い2日目以降を土日に重ねる戦略を取った。私はこの方法を選んだが、最初の2日で禁煙に慣れて、3日目を月曜日に当てるという選択肢も考えられる。いずれにせよ、予測される自分の状況を勘案して戦略を立てることが重要だ。

 

禁煙の儀

開始時期を決めたら「禁煙の儀」の準備だ。前回述べたように、まずは不要となるものの処理を始めよう。最後の1本を吸うのに必要なのは、タバコ1本、ライター、灰皿だけだ(加熱式タバコの場合は本体も)。それ以外は決意した時点で処理を始めた方が良い。とにかく重視すべきことは、最後の1本を吸った後は、できるだけタバコを吸うのが難しくなるような環境を作ることだ。私もそうだったが、最後の1本を吸った後に、その足で灰皿を捨てにいった。アイコスは充電しないで転売に備えて箱に収納、吸いたくても充電切れで吸えない状況にした。灰皿置き場と化していた換気扇の下は黒く汚れていたので、二度と灰皿を置きたくなくなるよう綺麗に掃除もした。このように、最後の1本の前にやるべきことを整理するのが重要だ。

もう一つ、これは私は特に実施しなかったが、禁煙で来るイライラに備えてガムやタブレットなどを準備しておくのも良いかもしれない。これは事前に備えをしておくということ以上に、できるだけ禁煙当初はコンビニに近寄らないという意味でも重要だ。タバコの売っているコンビニに吸いたい欲求を抱えて向かうことは限りなく危険だ。私はタブレットが一番聞いたが、氷や炭酸水などの刺激物が我慢に有効だったという意見も聞く。喫煙欲求が出た時にいろんなものを試せるよう、一通り準備しておくのも良いかもしれない。

 

最後の1本は十分味わおう

ここまで準備が整ったら、いよいよ最後の1本を吸おう。ちなみに、小さいことなのだが、最後の1本を吸ってからはとにかく時間をカウントする。やっと●時間たったとか、あと●時間でニコチンが抜けるはずとか、そんなイメージだ。私の経験では最初の5日間くらいは日数ではなく時間数を気にしていた。そのため、後で数えやすい時間に最後のタバコを吸うのもありかもしれない。例えば昼12時、夜中0時とか。また、禁煙後に自分を律する自信がなければ、寝る前に最後の1本を当て込めば、そのまま寝て禁煙時間を稼げる。私は23時調度に最後のタバコを吸ったので、何となく24-1って感じで計算がしやすかったほか、禁煙時間も稼げた。正直些末でどうでもよいことではあるが。

最後の1本に火を付ける(アイコスだったので加熱する)ときは、何だか緊張した。1吸い1吸いが喫煙人生の終わりに向かう道筋のようで非常に切なかった。少しの煙、ニコチンも無駄にしたくなくて、できるだけ肺に入れてやった。どうせこれで最後だ。そしていよいよ吸い終わったときは軽く泣きそうになるくらいだった。何だかこれで一生タバコを吸うことがないかもしれないと考えると、凄く寂しかったのだ。とにかく切なくて寂しい最後の1本だ、最高のシチュエーションを用意するのも良い、自分が一番吸いなれている場所を選ぶのも良い、十分味わおう

そして、禁煙を決意して最後の1本を吸い切った瞬間から、あなたは禁煙者だ。もう喫煙者ではないのだ。

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