禁煙セラピー
喫煙者の中でご存知の方もいるかもしれないが、禁煙者の中では高い知名度を誇るアレン・カーという人がいる。この人が書いたあまりにも有名な本が『禁煙セラピー』だ。当然、日本語版も発刊されている。世界中で多くの喫煙者を禁煙させた本として有名だが、この人自身は結局自力では禁煙ができず、催眠療法に頼って何とか禁煙。しかも禁煙に成功したのに肺癌を発症して死んでしまうという、こう言っては申し訳ないが、ネタみたいな人だ。
但し、禁煙セラピーは凄いらしい。実を言うと、以前に紹介したヘビースモーカーの友人が禁煙外来で真っ先に紹介されたのがこの『禁煙セラピー』であり、友人自身もこの本を読まなければ禁煙は絶対できなかったとはっきり言っている。さらに、私が影響を受けたブログ『簡単な禁煙法』も、実を言うと、『禁煙セラピー』の考え方に基づいて書かれていたことが明かされている。2017年には日本で漫画版も発刊されているので、未読であれば漫画版でも是非一読をおススメしたい本だ。
こんなことを言っておきながら、実は私は『禁煙セラピー』を読んでいない。禁煙で壁にぶち当たることがあれば読んでみようとも思ったが、案外にスムーズに進んでしまったため、結局一度も読むことなく今に至っている(当時、漫画版の存在を知っていたら読んでみたかもしれないが)。友人の話などを総合すると、この本ではタバコの害悪や辞めるメリットが論理的に説明されており、本人が「禁煙に納得する」ということが重視されているらしい。だから、タバコがいかに人間を洗脳しているかや、喫煙者が信じがちな思い込みを論理的に説明していくというもののようだ(何度も言うが読んでないので知らない)。
この考え方は、私は凄く理解できる。いくらメリット・デメリットを考えても、自分で納得しない限りは物事は続かないと思うからだ。経済的理由とか、誰かに強制されたからとか、嫌々辞めても全く意味がないし、そういう理由で人間は本気で動かないと思う。メリットやデメリットを考えることは、それ自体を理由にするためではなく、あくまで自分を納得させるための要因でしかないのだ。そのため、本ブログでもタバコと冷静に向き合っていく姿勢を紹介してきた。「タバコを辞めたらお金が浮くよ」とか、「タバコを辞めたら健康になるよ」とか、そんなことが本当に言いたいことでは全くない。実感として「タバコを吸わない方がよいかもしれない」と、小さな禁煙のきっかけを頭の中で自発的に感じてもらうために書いてきたつもりだ。そういう意味では、禁煙セラピー的な療法と言えるのかもしれない。
禁煙前の確認
そのため、一応禁煙の王道とも言われる考え方とそんな逸れていないようなブログを書いてきたつもりだが、どうだろうか?ここまで読んでいただいて少しでも禁煙に対する興味が湧いてきただろうか?もし全く興味が持てない状態だったら、私の力不足で大変申し訳ないが、一度『禁煙セラピー』自体も読んでいただいた方が良いかもしれない。この先からはいよいよ禁煙の具体的な手順を紹介していくつもりだが、何度も述べたように自分の頭で理解しない限りは、小手先だけ真似ても長続きしないと思う。
また、私も実はそうなのだが、こういう禁煙に対する話に何となく耳を傾けられない人、何となく斜に構えてしまう人は、ここまでの内容を念頭に置いていただいて、一度禁煙から遠ざかってみるのも良いかもしれない。但し、その場合にも私がこれまで述べてきたことや私の経験談を、頭の片隅に置いておいてもらえると大変嬉しい。そうした小さな記憶が、いつかタバコに対する問題意識が生まれた時に、禁煙に進むトリガーになってくれることを願いたい。
いよいよ禁煙だ!
幸いにも禁煙に対して興味を持ってくれた方、さあいよいよ禁煙だ!まずはいつから禁煙をするかを決める必要がある。今すぐできるという意志が強い方は、今すぐだ。今持っているタバコだけは吸い切りたいという方は、それを吸ってからだ。来週から、来月からという人はそれでも良い。ある程度、減煙してからが良いというのであれば、それも止めはしない。次回以降、禁煙を始める最適なタイミングなども記載していくが、実際にはいつからだってよい。但し、やると決めたらある程度の意志を持って進めて欲しいと思う。
ちなみに私の例を話そう。私は、思い立ったが吉日の性格なので、前にも書いたように『簡単な禁煙法』を読み切った火曜日に禁煙を決意して、金曜日から始めることにした。そのため、火曜日から金曜日までの間に、喫煙者の友達に連絡をして、余ったアイコスバランスドレギュラー1カートンと、アイコス本体を買い取ってくれる友人を探した。最悪無料であげても良かったのだが、たまたま買い手が見つかったので助かった。特にアイコス本体は買い替えたばかりで、2か月程度しか使っていなかったので。こうして金曜日までに万全の体制を整えて禁煙に臨んだわけだ。
最後に吸ったタバコのことは今でも覚えている。未練のないように吸い尽くすシチュエーションを考えてみるのも良いかもしれない。