これまでも紹介してきたように、私は減煙、禁煙の過程で電子タバコに頼った。今ではまったく吸うこともなくなったが、非常に有用と感じる部分もあったので、禁煙サポートグッズとして紹介したい。
加熱式タバコと電子タバコ
一部では加熱式タバコを電子タバコとして紹介している事例も散見されるので、まずはこの差異を明確にしたい。ここでは、電子タバコはニコチン、タールを一切含まない、リキッドを電気で気化させて香りを楽しむ製品を指す。なお、日本では販売に制限があるが、海外ではニコチンを添加したリキッドを電子タバコで楽しむのが通常であり、ニコチンのないものを電子タバコと呼ぶのは日本特有の現象とも言えることを注記しておく。
一方、加熱式タバコは大手タバコメーカーが販売している以下のような製品を指す。電子タバコとの最大の差はタバコ葉を使用していることだ。そのため、タバコ税の対象製品となる。タバコ葉を熱して吸引可能としているため、紙巻タバコより少ないと言われるが、タールもあるし、もちろんニコチンもある。一言でいうとタバコの一種なので、加熱式タバコを吸っているうちは禁煙しているとは言えない。私も禁煙する前の約1年間はアイコスを吸っていた。なお、それぞれ吸引方式や加熱方式が異なっており、ここでは詳しくは触れないが、PloomTECHはかなりカートリッジ式電子タバコと似た構造をしている。
・ Philip Morris 『iQOS(アイコス)』
・ British American Tobacco 『glo(グロー)』
・ JT 『Ploom TECH(プルームテック)』
電子タバコの種類
電子タバコには大きく分けて以下の3つの種類がある。
・ リキッド交換式
・ 使い捨て式
・ カートリッジ式
一般に電子タバコと言えばリキッド交換式を指す。本体にリキッドを注入してフレーバーを楽しむ構造で、世界で最も普及しているタイプだ。一方、製品本体やフレーバーは多種多様。私は過去にも電子タバコについて調べたことがあるが、種類の多さにさっぱり理解できず断念した経験がある。それくらい製品は多様で、安価なものから高級品までピンキリだ。電圧を調整することで水蒸気の吸引量などを調整できるなど、カスタマイズ性が高いモデルも多い一方で、フレーバーや加熱に用いるコイルは定期的に交換する必要があり、電子タバコを趣味としていく覚悟ある人にはおススメだ。初心者向けでは『Dr.VAPE』や『JoyetecheGo AIO Kit』などがあるが、もし購入するのであればVAPEStudioなどの電子タバコ専門店でアドバイスを受けることをおススメする。
こうした中、リキッド交換式に比べてお手軽に始められるのが使い捨て式だ。その名の通り、タバコと同じような形状をしており、吸ったらスティックごとポイっと捨てられる。1本で吸える回数は製品によって異なるが、紙巻タバコよりはコストメリットが出るように設定されているのが通常だ。具体的には『VAPE
STEEZ』などがあるが、ラインナップが豊富なカテゴリとは言えないだろう。
最後が本体とカートリッジに分かれるカートリッジ式だ。『PloomTECH』にかなり構造が近い製品なので、『PloomTECH』を見たことがある方はイメージしやすいと思う。スティックの3分の1くらいの長さがカートリッジになっており、ここにフレーバーが入っている。フレーバーがなくなると水蒸気が出なくなるため、カートリッジを交換するという構造のため、使い捨て式同様にリキッド注入やコイルの交換は不要だ。具体的には女性をターゲットにした『VITAFUL』や私が購入した『FLEVO』などがある。使い勝手が良いのと、紙巻タバコや加熱式タバコと似た構造のため手が出しやすいせいか、日本では徐々に知名度を高めているカテゴリだと感じている。
電子タバコの経済性は?
よく話題になるのが、タバコから電子タバコに変えると経済的にお得なのか?という点だ。結論から言うとお得にはなるはずだ。タバコ税がないのだから、お得になってくれなくては困る。それではどれくらいお得になるのかというと、何とも言い難い。なぜなら、紙巻タバコでは発生しない本体価格がそもそも各製品で異なるし、リキッドの価格にも差があるからだ。また、形式を問わずリキッド(フレーバー)がなくなった時が交換時期なのだが、これはタバコのように本数カウントではなく、吸った回数、吸った量に左右されるため、一概に比較するのが難しい。
私の利用した『FLEVO』を例にとると、カートリッジは約200回吸引可能であり、値段は1個約300円(5個入りで約1,500円)だ。仮に紙巻タバコの吸引回数を10回とするならば、概ねタバコ1箱分で300円となるのでお得だ。実際には紙巻タバコは15回くらい吸引できるという意見もあると思うが、電子タバコは例えば3回だけ吸って止めることも可能なので、私の感覚としては、カートリッジ1個でタバコ1箱よりかは長持ちする感覚があった。そのため、結論としては経済的にはお得になる可能性が高いが、どの程度かは製品や個人の感覚によるということだと思う。
禁煙のサポートにはなるか?
前提として理解しなければならないのは、ニコチン・タールレスの電子タバコは単なるおしゃぶりであり、タバコが与えてくれるような満足感は一切ない(リキッド交換式は吸引量が調整できるので、喉へのキック感があり、タバコに似た満足感を与えてくれる製品もある)。そのため、完全に精神的依存、吸い癖を満たすためのものと言える。しかし、口から水蒸気は出るので、喫煙所に行かないと誤解を生む。逆に言うと、仕事を休憩するという大義名分は得られるし、タバコミュニケーションも維持できるという点で有用だ。では私がそんなに電子タバコに頼ったかというと、私は本体(カートリッジ2個付き)と5個入りのカートリッジを買ったのだが、新品カートリッジを3個残してもう吸っていない。減煙期と禁煙最初の合計1ヶ月強でカートリッジを約4個消費し、それっきりである。
但し、それが無駄だったとは決して思っていない。『FLEVO』はカートリッジが2個も付いて、約1,000円という圧倒的な低価格を実現している。1,000円で禁煙の辛い時期に吸い癖をある程度満たしてくれたこと、休憩の口実を与えてくれたことは、非常に価値があった。そのため、禁煙を志す人は、電子タバコを試してみることはおススメする。特にお手軽なカートリッジ式の『FLEVO』なら約1,000円でお試し可能なため、全然役に立たなくてもそんなに悔しくもないだろう。ダメ元で試してみるくらいの姿勢が良いと思う。