禁煙後の影響

嫌煙家にはなりたくない!

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禁煙して1ヶ月~2ヶ月くらい経つと、だいぶ周りにも自分が禁煙していることが浸透してきて、いろんな反応を受けることがある。といっても、ほとんどの人は他人の禁煙の話なんて興味もないのが普通なのだが、特に非喫煙者の同僚や友人などから、「凄い」、「偉い」と言われることが多く、少し違和感があった。
 

褒めてもらうのは嬉しいが・・・

確かに非喫煙者からしたら、周りで煙を吐き出す人間が一人でも減るならば歓迎だろうし、適当に扱ってまた喫煙を再開されてもしょうがないので、わざわざ褒めてくれる人もいるかもしれない。しかし、大半の人は興味も関心もないから、何となく難しいと言われている禁煙に挑戦しているという話を聞いて、話の流れで適当に褒めてくれるのだろう。それでも、正直な気持ちを言うと、頑張って禁煙したのだから、みんなに話を聞いてもらいたいし、みんなに褒めてもらいたい。なので、ウソでも褒めてもらえると嬉しいものだ。

ただ、これを真に受けるのは危険だ。実際には「不良少年が友達に優しくした」みたいな現象と同じで、印象がマイナススタートの人が普通のことを行うと、何だか良い事のように見えているだけだ。これを勘違いしてしまうと、数日前まで自分も喫煙者だった癖に、何だか喫煙者を偉くない存在、自分より下の存在として見てしまいかねない

 

そもそも喫煙って悪なのか?

そもそも禁煙が偉いとかそういう考えが出るということは、喫煙というのは「悪」なんだろうか?もし喫煙が「悪」という社会的評価が確立しているなら話は簡単だ。極端な話、タバコが法律で禁じられていたとすれば、道徳的に禁煙することは善いことと言えるかもしれない。しかし、タバコはこの辺が結構曖昧だ。もちろん、一部の非喫煙者、特に嫌煙家と言われる人たちからすれば、タバコは完全に悪なのかもしれない。しかし、喫煙者からすれば、その割には日本全国どこでも買えるし、まだまだ灰皿の設置場所だって多いし、公的に税金まで取られてるんだから、善ではないにしても、悪でもないんじゃないの?っていう感じだろう。

禁煙者の私からしても、喫煙者の意見と同じで、喫煙は今のところ善でも悪でもないのだと思う。だとすると、禁煙も悪でも善でもなく、生き方や嗜好品の選択の話でしかない。そのことは、禁煙者になっても忘れてはいけないと思う。この辺りは考え方の問題なので、あまり私がどうこう言う話ではないのかもしれないが、何が言いたいかというと、タバコを辞めても、というよりタバコを吸っていた経験があるのだから、禁煙者は喫煙者に理解のある存在であってもらいたいという気持ちが私にはある。

 

禁煙者は嫌煙家?

これは私自身も実は実例として何人か聞いたことがあるほか、数々の禁煙ブログなどを読むと垣間見える悲しい事実なのだが、嫌煙家の中には元喫煙者が多いらしいのだ。実際に、嫌煙家の定義があるわけでもないと思うので、特に統計的データはないのだが、実感としては理解できる。また、正直なところ、嫌煙家になる理由も分からなくはない。

まず第一に禁煙するとタバコが臭いのだ。今まで自分からこんなに匂いが出てたの?とドン引きするくらい臭い。喫煙者時代には信じられないと思っていたが、窓の外から入ってくるタバコの臭いも気になったりするので、ベランダを禁煙にするマンションの気持ちも理解できる。というか、非喫煙者の人たちって、自分はタバコを吸わないのにこんな臭いにずっと耐えてきて、「だいぶ心が広いな」とすら思ったりする。

次に、自分が禁煙に成功して、多くのメリットを享受しているため、いまだにタバコを吸い続けている人が信じられないという気持ちがある。なぜタバコを辞めたらこんなに気持ち良いのに、まだ吸っているんだろうか?という気持ちだ。ちなみに、私は太るたびにダイエットにも成功しているので、太っている人にも同じ気持ちを抱くことがある。

 

喫煙者には暖かく接したい

こうした理由から確かに喫煙者に疑問の気持ちを持つことがある。それでも、私は喫煙者に優しくいたいと思う。タバコを吸っていた時に、飲みの席で「タバコを吸ってもいいですか?」と聞くと、「全然気にしないで。俺も10年前まで吸ってたから」なんてセリフを上司や先輩に何度も言われたことがある。そのたびに「なんて心の広い人たちだろう」と感動したものだ。しかも、そうした先輩たちは「いい加減タバコ辞めなよ」なんて野暮なことを私に言うことは一切なかった。きっと自分も禁煙を勧められるのは嫌いだったのだろう。

実際に私も禁煙を勧められるのは鬱陶しい以外の何物でもなかった。というか、本気でタバコを辞めたがっている喫煙者なんてそうはいない。私が禁煙していると聞いても、どうやって禁煙したか?なんて聞いてくる喫煙者は一人もいなかった。そんな人たちに禁煙を勧めても鬱陶しいだけだろう。だから、喫煙者には優しく接することに加えて、できるだけ禁煙も勧めないようにしたい。私がタバコを辞めたのは、誰かに勧められたからでは決してないのだ。そして、もし自発的に禁煙に興味を持つことがあったら、その時は全力でサポートしてあげたいと思うのだ。

少なくとも、私は今でも喫煙者がまずいタバコに憧れて、若くてお金もないのに好奇心に抗えずタバコを吸ってしまった気持ちは重要だと思っている。「タバコって美味しいのかな?」という好奇心が十分に持てない人は、想像力が足りないのではないかと思わざるを得ない。これは、タバコ以外でも同じことだ。好奇心に勝てず、何でも自分で経験しないと気が済まないような人が私は好きだ。

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